和式建築に多い引き戸は、玄関に採用されていることが多く、最近では、バリアフリーの観点から、室内にも引き戸を採用する例が増えています。
玄関の鍵が1つだけでは不安だったり、高齢者や子供が勝手に出歩くことが内容に鍵をもうひとつ付けたいといった要望があります。
今回は、一戸建てによくある引き戸の後付け鍵の種類と実際にかかる費用の例を紹介します。
一戸建て玄関の引き戸に後付けできる鍵とは
メインで使用する鍵の他に後付けできる鍵は、簡易錠、戸先錠、召し合わせ錠、電子錠の4種類です。
簡易錠・簡易ロック
簡易錠は、サッシ用のストッパーなど窓の補助錠として用いられることが多く、両面テープで簡単に取付け可能でホームセンターで入手可能な商品です。
価格は1,500円前後で手ごろな補助錠が多いのですが、玄関の引き戸が木材の場合は両面テープの強度に不安が残ります。木材の場合はビス止めなどより強度の高い鍵を選ぶことをおすすめします。
簡単に取付け可能ですが、内側もしくは外側からのロックのみになります。外側に取付けた場合、内側から開けることが出来なくなります。
戸先錠
戸先錠は引き戸の取っ手がある部分(戸先)に取付ける鍵で、鍵本体の価格は5,000円~25,000円が目安です。
戸先部分を加工して埋め込むタイプで、リクシルやYKKなどのメーカー品は高額になる傾向があります。
より安価に取付ける方法として面付けタイプがあります。
錠ケースを扉本体に掘り込まず、両面テープやビス止めで取付けるタイプです。
扉の材質や種類によって取付け可能な戸先錠が違ってくる場合があります。確実に取付けを行うために鍵業者に取付けを依頼することをおすすめします。
戸先錠の場合、外側から鍵をかけても内側から解錠することが可能です。
召し合わせ錠
召し合わせ錠は引き違い戸向けの鍵で、2枚の戸が重なっている部分、玄関の引き戸の場合中央に位置する部分に取付けます。
鍵のみの価格は6,000円~15,000円でホームセンターやネットでも入手可能です。
召し合わせ錠の場合、玄関の引き戸限定になります。
室内の引き戸の場合、厚みが不足するため召し合わせ錠の取付けができません。
また、玄関の戸の厚みによっても取付け可能な鍵が限定されることもあります。
召し合わせ錠の取付けは戸の加工が必要で難易度が高いため、鍵業者に依頼することをおすすめします。
電子錠
電子錠はカードキーやスマートフォンアプリ、指紋認証、暗証番号など様々な方法で解錠可能で、物理的な鍵が不要です。
オートロック機能もあるため、鍵のかけ忘れなど防犯性にも優れています。
電子錠の製品は開き戸向けが圧倒的に多く、引き戸用は少ないですが、鎌錠を備えた引き戸用もあります。
本体価格は電子錠の種類によって異なり1万円~10万円と幅広くなっています。
一戸建て玄関の引き戸に鍵を後付けする相場
引き戸に鍵を後付けする場合、ご自身でDIYで取付ける場合は、鍵の代金のみで取付け可能ですが、防犯性や安全性を考慮すると不安なため、鍵業者に依頼することをおすすめします。
簡易錠の取付けの場合、鍵の部品代も含め15,000円前後が目安です。
戸先錠や召し合わせ錠の場合、鍵の部品代も含め35,000円~45,000円が目安で、鍵の価格次第で費用が前後します。
電子錠の場合の取付けは3万円~4万円の取付け費用ですが、電子錠の種類によって本体価格が変わってきます。鍵業者と相談しながらご自身の自宅の玄関に合った電子錠を選びましょう。
配線工事が必要なタイプの場合、別途工事費用も必要になります。
まとめ
簡易的な補助錠で問題ない場合は、ご自身での取付けも可能な補助錠もあります。
玄関の引き戸の材質や形状によっても取付け可能な鍵に違いが出ます。防犯性や安全性を重視する場合は、鍵業者に相談し取付けを依頼しましょう。